鳥取県で 2 月 16 日に行われる「とっとり未来共創フォーラム」に、WebDINO Japan 代表理事の瀧田がコーディネーターとして参加します。「まち・人×テクノロジーをみんなでデザインする」このイベントでは、産学官民の「共創」と先進技術の活用による人・地域の未来づくりを議論します。また、弊社で運営事務局を担当している Web×IoT メイカーズチャレンジ PLUS in 鳥取についても、次世代の人材育成を推進する取り組みとして会場内で展示紹介を行う予定です。詳しくは県の発表をご覧ください。
]]>各種動画配信サービスにおける体感品質 (QoE) データを分析・公開している弊社の調査研究プロジェクト「Web VideoMark」で、このたび、モバイル環境での測定強化の一環として Android 版 Firefox に対応した拡張機能の提供を開始しました。
これまで対応ブラウザーはパソコン上の Chrome、Edge、Firefox に限定されていましたが、Android 版 Firefox の「オープンな拡張機能エコシステム」が 本日立ち上げとなり、任意の拡張機能をインストールできるようになったのに合わせて、Web VideoMark でもモバイルに最適化した最新版をリリースしています。
Android スマートフォンやタブレットをお持ちの方は、Firefox に Web VideoMark をインストールし、アドオンメニューから「Web VideoMark」を選んで計測や視聴履歴機能の紹介を見ていただいてから、普段通り YouTube などで動画を再生してください。他に何もする必要はありません。誰でも簡単に参加できるインターネット品質調査ですので、ぜひ一人でも多くの方にご協力いただければと思います。
]]>WebDINO Japan は、総務省が支援する学生や若手エンジニアを対象とした IoT システム開発のためのスキルアップイベント「Web×IoT メイカーズチャレンジ PLUS」の中央実行委員会事務局を昨年度に引き続き担当しています。今年度は、秋田、富山、信州、鳥取、岡山、徳島、香川、愛媛の 8 地域でハッカソンが開催されることが決定しました。
以下プレスリリースを配信しましたのでご覧ください。
]]>創立から 20 年目を迎えた 2023 年 7 月に、日頃より弊社の活動にご協力いただいている皆様やこれまでご支援いただいた皆様をお招きして「WebDINO Japan 創立 20 年記念パーティー ~ Fireside Chat 2023 ~」と題したネットワーキングイベントを開催しました。
当日は、オープンソースやウェブのエンジニアコミュニティ、インターネット業界やウェブ業界の皆様、アカデミア、デザイナー、行政関係者など、約 200 名の皆様との賑やかな交流の機会となりました。
特に今回は、ウェブ技術やオープンソースを活動の礎としてきた弊社のルーツとも言える Netscape 社のソースコード公開から 25 年の節目の年ということもあり、四半世紀を経たウェブについて、過去・現在・未来についてのトークセッションも行いました。
当日の様子については、ダイジェストにしてまとめた動画を以下でご覧いただけます。
また、パーティーのレポートをマイナビニュース様の記事でもご紹介いただいています。
あらためて多くの皆様のお力で支えられていることを実感する機会となりました。これを機にスタッフ一同、心を新たにして、産学官、そしてコミュニティのハブとなり、ウェブを介したコラボレーションやイノベーションを促進する活動を行って参ります。
]]>一般社団法人 WebDINO Japan は、国内外のメディア、広告関連企業などとともに「オリジネーター・プロファイル (Originator Profile = OP) 技術研究組合」を設立しました。
オリジネーター・プロファイル (OP) 技術は安全なインターネット環境を提供するための仕組みで、ブラウザなどで採用される「Web 標準」を目指しています。インターネット上のコンテンツ作成者、デジタル広告の出稿元などの情報を検証可能な形で付与する技術で、信頼できる発信者を識別可能にすることで第三者認証済みの良質なメディアとコンテンツをインターネット利用者が容易に見分けられる仕組みを確立し、フェイクニュースやアドフラウドなどの氾濫を抑止することにもつながります。
OP 技術研究組合は今後、慶応義塾大学サイバー文明研究センター監修の下、国内の主要広告会社とも連携して日本国内における OP の仕様策定と試験実装を進め、Web 標準化と社会実装を目指す取り組みを進めていきます。そして、国内での研究で得られた知見をもとに、Web 技術の標準化団体である W3C (World Wide Web Consortium) などにも提案をし、世界中の人々が安心して利用できる健全なインターネットの発展に貢献することを目指しています。
「情報技術 (IT) の進歩は私たちの社会に様々な恩恵をもたらしました。インターネット、ソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS) などは社会に大きな利益をもたらす一方で、フェイクニュースなど有害な虚偽情報の拡散を許し、ニュースの信頼性が損なわれるなど負の側面も目立ち、大きな社会問題となっています。デジタル広告の分野でも、耳目を集めることを目的としたいわゆる『アテンション・エコノミー』の横行で市場の健全性がゆがめられてきました。
そこで私たちは『オリジネーター・プロファイル (OP)』と呼ぶ新技術を提案しました。デジタル化した符号でコンテンツ発信者の情報を開示する技術で、メディア、広告などで利用が進めば、ネット空間の健全性が保たれ、公益性を高めることにもつながります。 OP の実用化に向け、昨年 12 月に非営利共益法人『技術研究組合 (CIP)』を設立しました。CIP とは、企業や大学などが協力して新技術開発を行う相互扶助組織です。設立した CIP の下、OP の実用化、社会実装を目指します」
11 月 26 日開催のオンラインイベント JSConf.jp 2022 で、弊社 CTO の浅井智也が「Web Runtime」というタイトルでウェブ技術と実行環境の動向についてお話しします。
Web ブラウザとレンダリングエンジンは Chrome と Chromium の寡占によって多様性が失われつつあるといわれる反面、 JavaScript エンジンから Node, Deno, Bun や Wasntime, Wasmer などのように、Web のランタイムは多様性を増すばかりです。 Web とは、Web 技術とは、Web ランタイムとは、どこから来て何処へ行くのか。歴史も振り返りつつこれからの Web について考えてみましょう。
イベント参加の申し込みは connpass サイト より無料で行えます。様々な登壇者が発表されますので、Web 技術に興味のある方は是非ともご参加ください。
]]>鳥取県における地域に根差した人材育成の活動が認められ、一般社団法人 WebDINO Japan が団体として、令和 4 年度の「電波の日」中国総合通信局長賞を授与されました。2022 年 6 月 1 日に広島市にて開催された表彰式には、代表理事の瀧田 佐登子が出席し賞状をいただきました。
参考リンク: 総務省中国総合通信局報道発表
]]>総務省および B5G 新経営戦略センターが人材育成の取り組みとして支援を行っているイベント「Web✕IoT メイカーズチャレンジ PLUS」の 2021 年度開催 (2021 年 4 月 ~ 2022 年 3 月末) が無事終了しました。
弊社では、各地域で開催される本イベントの共通事項の策定や、各地の運営アドバイスを含めた共通的・基盤的支援を担う中央実行委員会事務局を担当させていただきました。
このイベントですが、以前も ブログ でご紹介をしたことのある施策で、ハンズオン形式の講習会やハッカソンへの参加を通して Web 標準技術を使った IoT システム開発を実践的に学ぶ機会を提供するというものですが、2021 年度からは、標準技術を活用することによる相互可用性 (Interoperability) や、オープンソース・ソフトウェア (OSS) 利活用の意義についても理解を深めるための講義をカリキュラムに含めています。
コロナ禍での開催でオンラインを活用した講習を行う場面も多かったこともあり、本イベントで実施したオンライン講習の動画など、教材コンテンツの一部を以下のページで公開しています。個人的な自習はもちろん、本イベント以外の講習や講義でも自由にお使いいただけますので、ご興味のある方はぜひご活用ください。
なお、2021 年度の Web✕IoT メイカーズチャレンジ PLUS にご参加いただいた皆さんのハッカソン作品は、以下のギャラリーページで紹介しています。
]]>各種動画配信サービスにおける体感品質データを分析している弊社の調査研究プロジェクト「Web VideoMark」で、このたび gorin.jp など Tokyo 2020 公式動画サイトの計測に対応しました。お使いの Chrome か Firefox ブラウザーに拡張機能をインストールして、ライブ配信を観ながら計測にご協力ください! 既に最新の 統計情報 も公開しています。詳しい分析結果は後日改めてブログ記事でお伝えします。
]]>WebDINO Japan は、総務省の委託を受け、学生や若手エンジニアを対象とした IoT システム開発のスキルアップイベント「Web×IoT メイカーズチャレンジ 2020-21」の実行委員会事務局を担当しています。
2020 年度は、新型コロナウイルスか感染症拡大防止の観点から、完全又は一部オンラインでのイベント実施や、参加者数を制限した上でのオンサイト実施など、地域毎に異なる開催スタイルで、茨城、石川、信州、大垣、岡山、徳島・鳥取、香川にて開催が予定されています。
以下プレスリリースを配信いたしましたので、詳しくはリンク先をご覧ください。
]]>This article was originally written in Japanese on May 19, 2020.
Last month, we posted an early insights into the quality data of video streaming services gathered from our Web VideoMark project participants in February and March, during the COVID-19 crisis. We have extended our coverage until May 10 to look into the trends between the declaration of the national state of emergency and a prime holiday season in Japan called the Golden Week.
Under the state of emergency, numerous people are working or studying remotely and enjoying online entertainment services at home. As a result, a massive hike in the Internet traffic has been observed by network providers, including JPIX, JPNAP, NTT Communications, NTT East and NTT West.
Putting all these reports together, as pointed out by the Japanese government’s Internet traffic efficiency committee, the national Internet traffic has increased by 30% to 50% during weekday daytime, 10% to 20% during weekend daytime, and 10% in the evening on both weekdays and weekends between late February and mid-April.
So, how the communication quality is affected when people use actual services? We have analyzed data measured client-side, including the transmission speed, which is the throughputs of video file downloads, and the response times from CDN servers.
The following graphs show the average transmission speeds and response times, the daily average of per-view average, between February and May. As discussed in our previous post, we couldn’t find any significant trends in February and March, even though there were some differences between weekdays and weekends in addition to some statistical variations.
However, slower transmissions and responses can be observed around April 7, when the state of emergency was declared for Tokyo and six other provinces, as well as April 16, when it was expanded nationwide.
If we see March 26, for example, there is a significant peak in the average response times. This particular day had many samples of prolonged responses. The average between 1 and 2 a.m. was longer than 5000ms, which contributed to 6% of the day’s statistics. It was over 2700ms between midnight and 1 a.m. as well as 9 and 10 p.m., which also accounted for 9% each.
Since we don’t have an adequate number of samples yet, the daily breakdown contains some extreme values. Still, we believe that this sort of data is meaningful from a micro-perspective because there were actual users who experienced a poor network environment.
We can see smoother macro-perspective results by taking regular averages or moving averages with extreme values excluded. It’s also possible to focus on these values from a micro-perspective. We didn’t eliminate anomalies from the data shown in this post.
When comparing the monthly averages, the transmission slowed down by 24% in April and 47% in May (first 10 days) from the average of February and March. The response times also increased by 53% in April and 144% in May, respectively.
These statistics are based on the simple daily averages of logs collected from Web VideoMark participants. It means there are many variables in the population (more devices, more views), their network (home, school or office), and streaming servers (busy hours) during the period. The views vary by hour, and we only analyze simple daily averages, so the results are biased toward the prime time when more people watch videos.
Therefore, the data doesn’t imply that the entire Internet speed went down to the half, or the loading times became 2.4 times longer. Still, given that we measure against servers, which are usually a robust and stable CDN like YouTube, these stats should be reflecting the Internet quality and congestions that people perceive when they use the actual services.
The quality of experience (QoE) for video streaming users has not significantly been affected by the slower transmissions and longer response times. That’s because bitrates required for video playback are orders of magnitude less than the download speed, as mentioned in our previous post.
Considering the number of users on each service is a variable, we just focused on YouTube that draws the majority of the users. The daily QoE in this first half-year until May 19 look like this:
The graph contains several anomalies, just like the response times we saw earlier. Still, we don’t recognize any particular trend because, in our understanding, bandwidth shortages leading to lower resolutions and bitrates are not often happening.
Note: We estimate QoE values from various parameters like resolutions, bitrates, and pausing times during video playback. The QoE of the entire service usage, including negative impacts of slower page loads or navigations, is not taken into account in this analysis.
In our previous post, we looked into the data in February and March. Now let’s extend the coverage until May 10 to see how the hourly views totaling 28,005 look like on weekdays and weekends:
On the whole, the number of views has increased since April. While our active user base (project participants) grown by 10% between early March and early April, the April views were 2.2 times greater than March. We can conclude that the use of video streaming services had spiked following the state of emergency declarations.
The hourly graphs vary widely, but it seems there are slightly more views after March during weekday daytime that previously had fewer viewers.
For the Web VideoMark project, we are gathering data from volunteers opted into our online research, analyzing the network and QoE on actual services, and publishing the outcomes as open data. We’ll be posting analytics charts like ones shown in this article to the statistics page.
If you’re interested, please visit our project page, install an extension to one of the supported browsers including Chrome and Edge, and watch videos as usual. You don’t have to do anything else. It’s an online quality research anyone can easily participate, so join us today!
Besides, we can provide detailed data and briefing to network carriers, video service providers and researchers. Drop us a line if it sounds beneficial to you.
]]>This article was originally written in Japanese on April 30, 2020.
Here at WebDINO Japan, we are working on Web VideoMark, a project that measures and analyzes the quality of experience (QoE) for Internet video streaming users, aiming to help make better use of limited network resources.
In reaction to the recent traffic hike amid the COVID-19 pandemic, we have developed a new analytics framework to utilize our data to look into the video-watching behaviors and settings of streaming service users while monitoring the network environment. We then have started to make our data and analysis available to the public.
In this post, we’ll share our early insights while analyzing the statistics in February and March. During this time, the Internet traffic has soared due to several factors, including remote work practices in some businesses, an event cancellation request by the government on February 26, and elementary school closures started on March 3.
We’ll later examine the subsequent period that includes the state of emergency declared on April 7 as well as the Golden Week, a Japanese prime holiday season in early May, once our statistics are ready.
Update: see new blog post: “How the Internet quality is affected during the state of emergency”
From our analysis of streaming service usage and network log data collected from Web VideoMark participants, we can tell:
The significant increase in response times can lead to a degraded QoE due to poor synchronization in video conferences or remote desktop applications, so we may have to monitor the network more carefully using data from actual user settings.
It’s well known that the usage trends of the Internet and video streaming services widely vary by day of week and hour. So, let’s see the changes in people’s watching behaviors by comparing the hourly video views in February and March on weekdays and weekends, respectively. Data sent from our automated measuring devices (bots) are excluded.
On weekdays, there’s an upward trend in daytime views. In February, people watched videos mainly in the evening and night. Contrarily in March, the daytime views neared the night peak hours, and late-night views also increased.
During weekends, daytime views had increased at different times of day. In February, many people watched in the late-night hours after 9 p.m., while March had viewers steadily between the late morning and 3 a.m.
Note: we can’t conclude the trends in per-user views from differences in the absolute measure values since each period had a different number of users, which had gradually increased. That’s why we are just comparing the distribution of view time slots.
It seems the increased weekday daytime views reflect the fact that people spent more time at home with a desktop computer after their office or school was closed. The increased weekend daytime views may be a result of people watching more videos during self-isolation.
We also compared the views on specific streaming services that we could have an adequate number of samples in February and March. As you see, the proportion of views of Amazon Prime Video, AbemaTV and TVer were higher than YouTube and Niconico:
Service name | View sample growth | Growth rate compared to YouTube |
---|---|---|
Niconico | 1.27x | 0.92x |
YouTube | 1.376x | 1.0x (benchmark) |
Amazon Prime Video | 1.76x | 1.28x |
AbemaTV | 2.32x | 1.68x |
TVer | 4.11x | 2.98x |
Note: Since there have been changes in our user base, the view sample growth rates don’t necessarily represent the number of users or visits on each service. Also, the compared services’ samples were orders of magnitude less than YouTube, so the results indeed contain a substantial margin of error.*
Given the increased video streaming demand as a home online entertainment, people presumably favor content providers serving specific TV shows, dramas and animations over services featuring user-posted videos which are more suitable for zapping or distracted watching.
OCN, the largest ISP in Japan, reported that their weekday daytime download traffic increased by 40% in early March, and 10% more afterward. IIJ, another major ISP, also said there was a daytime traffic hike in early March, that would be a 15% average daily increase.
According to OCN, their weekday daytime traffic neared weekend daytime, and their daytime peak also neared the evening peak, while the prime time between 9 and 11 p.m. saw a smaller increase of less than 10%.
Although several other reports also confirmed a network traffic spike, the Japanese government argues that they don’t see any significant issues in the national Internet infrastructure that keeps a certain margin. However, they only address the ISP-level whole traffic volume from a macro-perspective. Micro-perspective network quality issues affecting people, such as bottlenecks at fiber connecting nodes or PPPoE terminals, are outside of the scope.
While streaming, a web browser sequentially downloads video files encoded for a few seconds each from a CDN server, and play them smoothly in order. Web VideoMark measures the response time and throughput of each download, so we can analyze the trends and distributions to discover micro-perspective changes in the traffic quality that actual user experience when they connect to an actual services.
Now, we’ll discuss our hourly statistics based on per-view averages. By reviewing throughputs, which are file download speeds from a CDN server, we can detect any bandwidth tightness.
There are no significant differences both on weekdays and weekends. While downloads are relatively faster during the late-night and early morning hours on weekends, the network will be slower during the weekday daytime as well as the weekend afternoon and evening.
Either way, the average rate of over 60 Mbps is maintained, which means the bandwidth still has enough room for video streaming. In fact, we don’t recognize any decreased streaming QoE, as explained below.
We’ll look at the response times (RTT) next. An RTT will be longer if the server is busy, or there is any congestion on the user’s network route.
On weekdays, we don’t witness significant changes during the afternoon and evening hours. There is a remarkable change on weekends in March, where the response times doubled between midnight and 1 a.m. on weekdays, but the number would be less than 50% between midnight and 4 a.m. However, the difference is less than a second; it seems no hours are suffering from extreme congestions.
We then created a chart exhibiting daily averages of several time slots with significant differences in the monthly average:
In daily and hourly cross tables, distributions vary widely due to the limited number of samples. This chart highlights longer response times during weekday late-night hours and weekend daytime, but most of the month-to-month differences are due to specific days with unusually long response times. We don’t observe any massive congestions that are enough to make responses slower for a couple of seconds continuously.
That said, prolonged responses would create a significant impact on the QoE of synchronic services. On video conferences or online courses (or even online games) abruptly demanded during the pandemic, any user on a network with longer response times could make the audio and video deliveries slower, preventing smooth communications among attendants. In contrast, the initial loading or seeking wait times would be only concerns of streaming services.
We’ll continue to focus on this kind of micro-perspective analysis.
Compared to February, we witnessed a lower network traffic quality in March, such as longer response times and throughputs. How about the QoE on actual video streaming services?
Web VideoMark measures multiple parameters like bitrates, resolution and pausing times during each video playback, and determines the viewer’s QoE as a number from 1 (worst) to 5 (best). The following chart compares the QoE in February and March:
Regardless of hours with slower traffic or longer response times, actual users’ overall QoE has improved in March, which may come as a surprise. The network impact to video quality was small — the traffic speed was a notch above the video bitrates, that would be only a few Mbps even in Full HD — so other change might be the factors.
Note: Our QoE calculation uses various parameters retrieved during video playback, including bitrates, resolution, and pausing times due to buffer shortages. If the user’s bandwidth is enough, response times only affect the initial loading time as well as waiting times when they seek to any unbuffered part. The former won’t primarily affect the overall QoE. The latter also has a small impact on average QoE values even if the response times are getting longer, because there are only a small number of parameters measured multiple times during the playback.
When we see the playback resolution distributions, there are more high-resolution views in March than February.
In general, as long as the traffic speed is satisfactory, a video player automatically selects a video file in the best resolution depending on the player’s dimension. The traffic speed wasn’t a problem, as explained above, so we think larger players would be a factor. The chances are, remote workers and students are watching more videos during the daytime, making the player maximized or fullscreen, instead of showing it smaller at the corner of the screen.
In Europe, EU officials asked content providers to control their traffic to evade network communication failures. Video streaming services like Netflix, Amazon Prime Video and YouTube agreed to lower their default video quality. Game vendors like Sony also slowed down their downloads.
Speaking of YouTube, it was announced on March 24 that the company would be gradually lowering the default video quality to the standard 480p resolution in the global markets, following Europe and North America. For that reason, people may believe that YouTube has already lowered the default resolution also in Japan to save the bandwidth.
However, as of this writing in late April, YouTube has seemingly not implemented the measure in Japan yet. In fact, when we visit YouTube from a Japanese ISP to play videos, an HD resolution like 720p will be automatically selected just as before. We can also confirm this behavior with our statistics of data sent from Web VideoMark users, excluding our bots:
The playback resolution depends on the video file and player dimensions, and out statistics contain considerable variabilities due to a cross-tabling of 24-hour slots and 120px stops. Still, we can confirm that the standard (480p, pink in the chart) and lower resolutions are fewer after March 24, while the HD (720p, green) and higher resolutions are instead increasing. We couldn’t find any unusual behaviors like defaulting to the standard resolution only during the prime time.
Update: We focused on the change to 480p because YouTube’s announcement said they would globally apply the standard resolution. In Japan, instead, videos previously served in Full HD (1080p) might now be served in HD (720p) by default. These graphs may be suggesting the change: fewer 1080p (grey) and more HD (green).
We’ll continue reviewing this particular topic in April and beyond.
The analysis discussed in this post is based on log data collected by automated measuring devices (bots) and real people participating in our Web VideoMark project, who use YouTube or other streaming services with the browser extension or custom Android browser installed.
Here are the entire hourly views in February and March, the period subject to this report:
Our data collection is anonymous; we don’t ask our users to provide personal information such as gender, age or address, or connecting any external account. Therefore, we are not, and will never be, analyzing the data based on user attributes or making adjustments to match the general population distribution.
In general, each user’s approximate location, such as a province, and their ISP can be estimated with the GeoIP mechanism. GCP, MaxMind and others are providing a database for such purposes. Web VideoMark is also performing analysis using GeoIP, but we still don’t have enough user base and measuring samples that allow for cross-tabling. We could publish a geo-focused study after more people are getting involved.
For the Web VideoMark project, we are gathering data from volunteers opted into our online research, analyzing the network and QoE on actual services, and publishing the outcomes as open data. We’ll be posting analytics charts like ones shown in this article to the statistics page.
We don’t create an account for each participant or connect the users with existing external accounts. We also don’t ask any personally identifiable information, such as an address, name, gender, age or occupation. It means our log data doesn’t contain that kind of sensitiveness.
Furthermore, a randomly generated device ID is automatically changed at regular intervals, which the user can also reset manually in the options page. As an additional precaution, We filter out video logs with fewer views to prevent personal re-identification while analyzing the viewing history. This way, we make a maximum commitment to privacy before publishing our log data.
It also means we cannot analyze data using user attributes, but more participants will make sure our network analysis is consistent, accurate and comprehensive. We believe that publishing the QoE for actual users on actual services is useful, both from a macro and micro-perspective.
For instance, ISPs will be able to upgrade their facility by forecasting network jams and failures proactively. At the same time, it will be possible for end-users to compare ISPs and network carriers based on the quality of practical service usage. Once we have more data samples, we’ll make some comparisons public.
If you’re interested, please visit our project page, install an extension to one of the supported browsers including Chrome and Edge, and watch videos as usual. You don’t have to do anything else. It’s an online quality research anyone can easily participate, so join us today!
Besides, we can provide detailed data and briefing to network carriers, video service providers and researchers. Drop us a line if it sounds beneficial to you.
]]>前回公開した初期分析 では Web VideoMark を使って動画サービス利用時の品質データの計測に協力頂いている方から集められた、2 〜 3 月のログデータを対象とした分析を行いました。今回は続けて 5 月 10 日頃までのログデータを対象とし、緊急事態宣言の発令前後からゴールデンウィークまでの変化を確認した結果を紹介します。
緊急事態宣言に伴うテレワークや在宅遠隔授業、家庭でのオンラインエンターテイメントの利用の増大を背景にインターネット通信トラフィックが大きく増大していると各通信事業社が発表しています。
これらの報告を総合すると、総務省 インターネットトラヒック流通効率化検討協議会 に書かれているとおり、4 月中旬の時点で 2 月下旬に対して平日日中は 3〜5 割、休日日中は 1〜2 割、夜間は平日・休日問わず 1 割程度、国内のインターネットトラフィックが増加していることになります。
では、それに伴い実際のユーザが実際のサービスを利用したときの通信品質にはどのような影響があるのか。クライアント側でサーバとの通信速度 (動画ファイルダウンロード時スループット) と応答時間を計測した結果を確認しました。
2 〜 5 月の動画配信 CDN サーバとの通信速度と応答時間の平均 (視聴毎平均の日付毎平均) の推移は次のようになりました。前回の記事で紹介したとおり、2 〜 3 月については平日と土日祝日の差や計測のブレは見られるものの、極端な変化傾向は見られません。しかし緊急事態宣言が 7 都府県を対象に発令された 4 月 7 日やそれが全国拡大した 16 日の辺りから大きく通信速度の低下と応答時間の増大が見られます。
例えば 3 月 26 日の平均応答時間には大きなピークがありますが、これはその日の計測のうち約 6% の 1 時台の平均が 5000ms 以上、同じく約 9 % の 0,21 時台の平均が 2700ms 以上と、極端に応答時間の長い環境で視聴したサンプルが多く含まれていた日となっています。
計測サンプルがまだ少ないことで日別にブレイクダウンすると外れ値の影響が大きいですが、ユーザレベルでのミクロ視点の計測として、実際に酷い通信環境での視聴を観測していることに意味があると考えています。マクロな結果を平滑化して見たいなら外れ値を除外して平均や移動平均を取ったり、ミクロに見たいなら逆に外れ値を対象とした分析も可能です (本記事中のデータでは外れ値に対する特別な処理は行っていません)。
月間平均 (5 月分は 10 日まで) を比較してみると、通信速度は 2,3 月の平均に比べ 4 月は 24%、5 月 (10 日まで) は 47% 低い速度が観測されました。同じく応答時間は 2,3 月の平均に比べ 4 月は 53%、5 月 (10 日まで) は 144% 長い時間となっています。
この結果は Web VideoMark を使って計測に協力頂いている方の計測結果を日別で単純平均したものですから、期間中に協力者母集合の変化 (端末数・計測数共に増えています)、協力者の通信回線の変化 (会社から自宅へなど)、動画配信サーバ側の変化 (混雑状況) などといった影響も含んだ結果です。計測時間も 24 時間均等ではなく日別に単純平均したため、混雑時間帯 = 利用者の多い時間の計測数も多いため、混雑時間帯での計測結果に偏った結果とも言えます。
そのため単純にインターネットの速度が全体的に半分に、読み込み時間は 2.4 倍になったというわけではありません。とはいえ、サーバ側は YouTube などの強力で安定した CDN を対象とした計測であり、実サービス利用時のインターネット品質・混雑状況を反映したものと言えるはずです。
通信速度低下や応答時間の上昇が動画視聴の体感品質にどの程度悪影響があるかというと、前回の記事にも書いたとおり、動画再生に必要なビットレートは DL 通信速度に対して一桁以上小さいため、大きな影響が見られません。前回書いた通り利用サービス分布に変化があるため対象を計測数が一番多い YouTube に絞って今年上半期 (5月 19 日まで) の日次推移を確認すると次の通りです。
先ほどの応答時間同様に何らかの外れ値計測となる利用環境の計測が多く含まれる日にブレがありますが、解像度・ビットレートの低下が生じるほど通信帯域不足になることが少ないため、大きな変化傾向が観測されなかったものと考えています。
注: この数値は動画視聴の開始から終了までの体感品質を解像度・ビットレート・一時停止時間などから推定計算したものです。ページの読み込み、遷移などの時間が延びることによるサービス利用全体の体感品質低下を計測したものではありません。
前回の記事では 2,3 月のみを比較しましたが、5 月 10 日分までのデータを追加して平日と土日祝日の視聴数 (合計 28005 件) を 24 時間帯別に分けると次のようになります。
4 月以降は視聴数が全体として大きく伸びています。計測協力者 (アクティブユーザ) 数は 3 月頭から 4 月頭で約 1 割増えましたが、4 月の動画視聴数は 3 月の約 2.2 倍に増えています。緊急事態宣言に伴い動画配信サービスの利用が大きく増えたと考えられます。
時間帯の分布については 24 時間帯に分けるとバラツキが大きくなりますが、前回の記事に書いたとおり、3 月以降はそれまで視聴数が少なかった平日昼などにも動画視聴が少し増えているようです。
Web VideoMark プロジェクトでは、実際のサービス利用時のネットワークや体感品質を計測・推定するデータを、インターネット調査に協力いただけるボランティアによって計測・収集し、その結果を オープンデータとして公開 しています。本記事で紹介したような分析結果チャートも、統計情報ページ に随時追加掲載しています。
興味を持たれた方はプロジェクトページをご覧いただき、Chrome や Edge などの対応ブラウザに 拡張機能 をインストールし、普段通りに動画を見てください。他に何もする必要はありません。誰でも簡単に参加できるインターネット品質調査ですので、ぜひ一人でも多くの方にご協力いただければと思います。
また、ネットワーク事業者や動画サービス提供者あるいは研究分析をされる皆さんには、より詳細なデータ提供やご説明も可能ですので、ご関心のある方は WebDINO Japan までお問い合わせください。
]]>WebDINO Japan では、ネットワーク資源有効活用に向けたインターネット動画サービス利用時の実ユーザの体感品質値を測定・分析するプロジェクト「Web VideoMark」に取り組んでいます。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりデータ通信量が急増していることを受け、本プロジェクトによる計測データを用いて、ネットワーク環境の推移を比較・監視しつつ、動画サービス利用に関するユーザ行動・視聴環境の変化も分析していけるよう、ログデータの分析フレームワークを新規に開発し、それを用いた分析結果やデータの公開を始めました。
ここでは、その最初の分析として、一部企業の在宅勤務増加や政府による 2 月 26 日のイベント中止・延期要請と 3 月 2 日の小学校臨時休校を転機に通信量が大きく変動したと言われている 2 月と 3 月のデータ比較をご紹介します。その後の 4 月 7 日の緊急事態宣言の発令以後の変化やゴールデンウィーク中の影響などについても、ログデータの解析と分析が出来次第、追って報告します。
追記: 緊急事態宣言発令以降の変化について報告する記事 を公開しました。
Web VideoMark の利用者による動画配信サービス利用時のログデータから次の結果が得られました。
応答時間の大きな伸びはビデオ会議やリモートデスクトップでの同期性の低下による大きな体感品質の低下に繋がる可能性があり、今後より注意して実ユーザ環境での計測データによるネットワーク分析を行っていく必要がありそうです。
インターネットや動画配信サービスの利用傾向は平日と土日とその時間帯によって大きく異なることが知られています。そこでまず、2 月と 3 月視聴件数 (定点計測端末による計測を除く) の 24 時間帯別分布を平日と土日祝日について分けてそれぞれ比較し、利用者の視聴行動の変化を確認します。
平日の視聴数分布を見ると、2 月は日中に比べ夕方から夜間にかけて視聴数が多い一方、3 月には日中の動画視聴数も夜間のピークタイムと近い視聴数となっており、日中の動画視聴数の増加傾向が見られます。深夜時間の視聴数の増加傾向も見られます。
同じく土日の視聴件数の分布を見ると、2 月は 21 時以降の夜遅い時間帯の視聴が多い一方、3 月は昼前から深夜 3 時頃まで継続的に視聴数が多く、広い時間帯で日中の視聴数が増えていることが分かります。
注: 各期間でのユーザ数の違い (増加) の影響もあるため、計測数の絶対値の違いは 1 人当たりの動画の視聴回数の変化は判断できません。そのため、ここでは「視聴時間帯の分布」を比較しています。
平日日中の視聴割合の増加は自宅勤務や休校などの影響により自宅で PC を利用する時間が増えたこと、土日祝日の日中は外出自粛によって自宅で動画視聴をする時間が増えたことを反映していると思われます。
また、視聴する動画サービスの分布についても 2 月と 3 月でのサービス別の動画視聴数比率を、この期間の計測サンプル数が比較的多いサービスについて比較しました。次の通り YouTube やニコニコ動画より、Amazon Prime Video、AbemaTV、TVer の方が視聴数の比率が高くなっています。
動画配信サービス名 | 視聴サンプル数比率 | 増加率の対 YouTube 比 |
---|---|---|
ニコニコ動画 | 1.27 倍 | 0.92 倍 |
YouTube | 1.376 倍 | 1.0 倍 (基準) |
Amazon Prime Video | 1.76 倍 | 1.28 倍 |
AbemaTV | 2.32 倍 | 1.68 倍 |
TVer | 4.11 倍 | 2.98 倍 |
注: 計測者母集合にも変化があるため視聴サンプル数の増加率は各サービスのユーザ数や利用数を直接表すものではありません。また、YouTube 以外は計測サンプル数が 1 桁以上小さく、誤差が大きな数値であることにご注意ください。
在宅オンラインエンターテイメントとして動画視聴の需要が増えたことを背景に、ユーザ投稿型の動画を中心としてザッピングや「ながら見」の対象となる動画の多いサービスよりも、TV 番組やドラマ・アニメといったコンテンツ動画を中心として決まった動画を見に来る利用者の多いサービスの利用傾向が高まったのではないかと考えています。
OCN のフレッツトラフィックでは、平日昼のダウンロード通信量は 3 月頭に 4 割程度、その後更に 1 割程度増加、IIJ のフレッツトラフィックでも 3 月頭に昼間通信量が大きく増加、一日平均で 15% の増加などと報告されています。
フレッツトラフィックでは、平日昼の通信量が従来の休日昼の通信量程度に、昼のピークは夜間のピーク程度に増加し、夜間ピーク時間帯 (21 時〜23 時) の通信量については 10% 未満の比較的小さく伸びています。他のデータでも通信量の増大が報告されていますが、総務省の資料によると、国内のインターネットインフラは、マクロな視点では一定の余裕がある状況で大きな問題がない認識との見解が示されている。
但し、これは ISP レベルの通信トラフィック総量というマクロ視点であり、フレッツ網の光分岐や PPPoE 終端装置での輻輳など、ユーザ視点で体感するミクロなネットワーク品質を観測したものではありません。
Web ブラウザは動画再生中に CDN サーバから数秒単位に分割エンコードされた動画ファイルを順次ダウンロードし、連結再生します。Web VideoMark では各ファイルダウンロード時の応答時間とスループットを計測し、その推移や分布から実ユーザが実サービスのサーバと通信する際のミクロ視点での通信品質の変化を確認できます。
ここでは、1 視聴毎の平均値を算出した上で、視聴開始時間帯別に平均値を集計したものを紹介します。まずは通信帯域の逼迫がないか確認するためスループット (CDN サーバからの動画ファイルダウンロード速度) について確認します。
スループットは平日・土日祝日いずれも極端な変化は見られません。土日祝日の深夜早朝は比較的空いていて速度が出ていますが、平日昼や土日祝日の午後から夜までは通信速度が比較的低いことが見て取れます。いずれも平均 60Mbps 以上の速度が維持されており、動画配信などの通信帯域としてはまだ十分に余裕があります。実際、後に紹介するとおり動画再生時の体感品質の低下は見られません。
次に応答時間 (RTT) を確認します。サーバが混雑して応答が遅くなるまたは通信経路上に輻輳がある場合に長くなります。
日中から夕方の時間帯は、平日は大きな変化は見られません。土日祝日は 3 月に伸びており、深夜時間帯は平日は 0 〜 1 時に倍以上に伸びている一方、 3 月に 0 〜 4 時まで半分以下となっています。ただしその差は 1 秒未満であり極端な混雑が頻発する時間帯はないようです。
更に、月別平均の差が大きい時間帯を抜粋して日別平均を出すとこのようになります:
日別・時間帯別でのクロス集計では、サンプル数も限られ分散も大きくなります。平日深夜と土日祝日の昼は平均応答時間の長い日が多くなっている印象がありますが、多くは突出して応答時間が長い特定日が月間差の要因と見えます。連続的・継続的に応答時間が秒単位で延びる程の混雑は見られません。
とはいえ、ストリーミング型のサービスは最初の読み込み時間やシーク時の待ち時間にしか影響ありませんが、平均応答時間の延びは同期性のあるサービス体感品質に大きく影響します。新型コロナウィルスにより需要が急拡大している電話会議・遠隔講義 (あるいはオンラインゲーム) などでは、応答時間の長いネットワーク環境の利用者がいると音声・映像の送信が遅れ、円滑なコミュニケーションの妨げとなります。この点については今後もミクロ視点の計測データに注目・分析を継続していきます。
2 月に比べ 3 月にネットワーク通信品質 (応答時間・スループット) は低下していることが観測されましたが、 実際の動画配信サービス利用時の体感品質にはどのような影響があるのでしょうか。
Web VideoMark では、動画の再生開始から終了までの間に、動画のビットレート・解像度・停止時間などのパラメータを計測し、視聴者の体感品質を 1〜5 の数値 (5 が高評価) として推定計算する機能を持っています。各動画視聴毎の体感品質値を 2 月と 3 月について計算した結果は次のようになります。
通信速度低下や応答時間上昇があった時間帯とは関係なく、2 月よりも 3 月の方が実際のユーザが体感する品質が全体的に上昇したという結果です。これは予想と反するかもしれませんが、今回動画のビットレート (FullHD でも数 Mbps) に対して通信速度は一桁以上高くネットワーク要因の画質低下の影響は小さいため、他の変化が主要因となっていると考えられます。
補足: 体感品質値は再生中のビットレート・解像度・バッファ切れによる一時停止時間などをパラメータとして算出しています。帯域が十分にある場合、応答時間の影響は再生開始時と未バッファ部分へのシーク時の待ち時間のみであり、前者は全体の体感品質に大きく影響せず、後者も再生中に多数回行う計測サンプルは全体として少数であるため、応答時間が延びた場合でも平均体感品質値への影響は小さくなります。
再生解像度分布を見ると、2 月より 3 月は高解像側の動画再生が増えています。
動画再生プレイヤーでは一般に、通信速度が十分ある限り、画面上で動画を表示する領域の大きさに応じた解像度の動画を選択・再生します。前述の通り通信速度は十分ですので、動画再生時の表示領域サイズが大きくなったと推定されます。在宅勤務中あるいは休校により日中動画を見ることが増えた学生などが、画面の片隅で小さく再生するのではなく全画面表示などより大きく表示して視聴している割合が高くなっているのではないでしょうか。
欧州では EU が通信ネットワーク障害予防の観点から、コンテンツ事業社に対してトラフィックの抑制が呼びかけられ、それに応える形で Netflix、Amazon Prime Video、YouTube などの動画配信サービスが動画再生品質 (デフォルト設定) を低下、SONY などがゲームのダウンロード速度低下などの対応を行っています。
特に YouTube については欧州、北米に続け、デフォルトの再生品質を標準画質 (480p 解像度) に低下させる措置をグローバルに順次展開していくことを 3 月 24 日に発表しました。そのため、YouTube は既に日本でも通信帯域抑制のためデフォルト解像度を低下させていると誤解されている方が増えています。
しかし、本記事公開の 4 月末時点で、日本においてはその帯域抑制措置は実施されていないようです。実際に国内環境で YouTube の動画を再生品質を自動にして再生すると 720p などの HD 画質が選択される挙動は従来から変更ありません。これは次のように、Web VideoMark 利用者の計測データ (定点観測ボットを除外したデータ) から確認できます。
再生解像度は動画や再生時の表示領域などに依存しますし、24 時間帯と 120px 区切りの解像度によるクロス集計を取ったことで各項目のサンプル数が少なくバラツキが大きなデータですが、標準解像度 (480p) となるピンク以下の解像度は 3/24 以降の方が少なく、HD 解像度 (720p) となる緑以上の解像度の方が増えていることは確認できます。混雑時間帯だけ標準解像度をデフォルトにするというような振る舞いも見られません。
追記: YouTube のアナウンス ではデフォルトで標準解像度への変更をグローバルに展開すると書かれていたため 480p への変更に着目しましたが、国内では従来 FullHD 解像度 (1080p) などで配信されていた動画も HD 解像度 (720p) をデフォルトとする変更がなされている可能性があります。本調査でも灰色 (1080p) が減少し緑が増えていることからそれが伺われます。
この点については 4 月以降も変化がないか今後継続して確認していきます。
ここで紹介したデータは Web VideoMark プロジェクト で提供している ブラウザ用拡張機能 または Android 用ブラウザを使って計測に協力いただいている方が、それぞれ実際の利用環境で YouTube などの各種動画配信サービス視聴時に計測・収集したログデータと、定点自動計測を行うボット端末による計測ログデータを対象として分析しました。
分析対象とした、2 月と 3 月の動画視聴 (計測) の時間帯別件数は次の通りです:
利用者には性別・年齢・住所などの属性情報の入力もお願いしておらず、アカウントなどの紐付けも行っていない匿名での計測となります。従って、利用者の属性による分析や人口分布に対する補正は行っていませんし今後も行いません。
一般に、都道府県などの大まかな所在地や ISP については、データの送信元 IP アドレスから推定する GeoIP と呼ばれる仕組み (GCP や MaxMind などが提供するデータベース) が利用可能です。Web VideoMark でも GeoIP による分析は行っていますが、その結果とのクロス集計を行うにはまだ計測協力者と計測サンプルの数が十分ではないと考えています。計測に協力いただける方が増えてきたらそういった視点での分析も公開を検討しています。
Web VideoMark プロジェクトでは、実際のサービス利用時のネットワークや体感品質を計測・推定するデータを、インターネット調査に協力いただけるボランティアによって計測・収集し、その結果を オープンデータ として公開しています。本記事で紹介したような分析結果チャートも、今後 統計情報ページ などに随時掲載していきます。
本プロジェクトでは計測に協力いただく皆さんにアカウントを発行したり、既存の外部アカウントと紐付けたり、住所・氏名などの個人識別情報や、性別・年齢・職業などの個人情報の入力を求めたりすることは一切行っていません。従って計測ログデータにそれら個人情報を含むことはありません。また、インストール時に乱数生成する計測端末識別 ID は一定期間ごとに自動変更 (設定画面で即時変更も可能) し、更に視聴数の少ない動画のログをフィルタするなど、視聴履歴の統計処理による個人再識別も行えない処理をするなど、プライバシーには最大限配慮してログデータを公開しています。
そのため利用者属性を用いた分析などは行えませんが、協力いただける方が増えるとより正確で詳細なネットワーク分析を継続的に実施することが可能となり、マクロな計測だけでなくよりミクロな視点で、実際の利用者が実際のサービスを利用する際の品質データを公開し、ネットワークの輻輳・障害を事前に予測して設備増強をしたり、実サービス利用時の品質で ISP や通信キャリアの比較も行えるようになると期待しています (計測データ数が一定以上に増え次第、比較結果を公開予定です)。
興味を持たれた方は プロジェクトのページ をご覧いただき、Chrome や Edge などの対応ブラウザに 拡張機能 をインストールして、普段通りに動画を見てください。他に何もする必要はありません。誰でも簡単に参加できるインターネット品質調査ですので、ぜひ一人でも多くの方にご協力いただければと思います。
また、ネットワーク事業者や動画サービス提供者あるいは研究分析をされる皆さんには、より詳細なデータ提供やご説明も可能ですので、ご関心のある方は WebDINO Japan までお問い合わせください。
]]>WebDINO Japan では、前身の Mozilla Japan だった頃から、離れた拠点のメンバーとのコワークや、コミュニティーメンバーとの情報交換などを行う機会が多かったこともあり、かなり早い時期からリモートワーク (テレワーク) やオンラインでのビデオ会議を日常的に取り入れてきました。
考えてみると今から 13 年も前の 2007 年に、日本と北米、ヨーロッパ、タイなどの世界各国を 24 時間インターネット中継をしてイベントを行う!という、当時としてはかなりチャレンジングと言われたイベント (Mozilla 24) を企画・実施したくらいです。
さて、現在は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でテレワークをされたり、ミーティングや授業などでウェブビデオ会議を活用されている方が多いと思いますが、その反面、これまでそうしたツールを使ったことがなかった方や、オンラインのビデオミーティングと言っても基本的に何をどう用意して良いのかさっぱりわからない!という方も多いのではないでしょうか。
実は、この STAY HOME の期間中、プライベートで友人とオンライン女子会でも開催してみようと考えたのですが、メンバーは IT 系女子ではないため、ミーティング URL を渡して「よろしく!」という訳にはいかず、基本的なオンラインミーティングの参加方法や参加中にちょっと気をつけて欲しい点などを伝えるのがとても難しいことを実感しました。
そこで、「オンライン女子会参加ガイド」なる初心者向けガイドを作成してみることにしました。せっかくなので PC でウェブベースのビデオミーティングにチャレンジしてもらうことを念頭に、難しいことは書かずに段取りのみを簡単にまとめたものです。
今回は、Whereby ベースの “たくのむ” さんを例に、基本編としてガイドを作成し、発展編として今話題の Snap Camera を使う方法についてもまとめました。
(弊社メンバーのオンラインミーティング風景 ですが、いつもこんな訳ではありませんので・・・)
個人的に作った資料ですが、社内のメンバーに見せたら案外好評だったこともあり、外出できないゴールデンウィークを前に、使いたい方がいるかもしれないということで、公開することにしました。
クリエイティブ・コモンズライセンスにしているので、改変してお使いになりたい方は、以下の Google Drive に PDFと PowerPoint ファイルを置いていますのでご活用ください。
2 月 17 日、鳥取県が産学官を連携して地域課題の解決や産業分野の生産性向上に取り組むために設立した「とっとり IoT 推進ラボ」の「西部プロジェクト」において、弊社フェローの村岡と CTO の浅井を講師として「AI 予測分析のハンズオンセミナー」を実施いたします。
ビジネスに於けるデータ分析事例の紹介から機械学習を用いた予測分析の基礎、IoT 取得データの特徴と注意点などを説明した上で、実際の IoT センサーデータを AI 予測分析ツール「Prediction ONE」を用いて分析する実習までを 1 日で体験頂く講習会になります。
本セミナーのお申し込みや詳細については 鳥取県のハンズオンセミナー案内ページ をご覧ください。
]]>一般社団法人WebDINO Japan (本社所在地:東京都中央区、代表理事 瀧田 佐登子) と鳥取県は、鳥取県内教育現場を実証フィールドに、「IoT」をテーマとした先端技術人材育成プログラムの教材開発を共同で開始します。
本プログラムは、県内教育現場 (鳥取城北高等学校、青翔開智高等学校等) を実証フィールドとして、1. IoT基礎、2. 機器制御 (機器紹介、制御体験)、3. IoT を活用した身近な課題解決等の一連の流れを授業の中で実施・検証し、先端技術人材育成に向けた誰でも使えるプログラム及び教材の確立と公開を目指します。
本事業は、鳥取県が事務局を務める「とっとり IoT 推進ラボ」の先端人材育成プログラム開発事業として実施するもので、今後は他の学術・教育機関への波及、小中学生向けプログラム・教材開発も視野に事業を進めていく予定です。
なお、今回は株式会社インターネットイニシアティブ (IIJ) の協力のもと、同社の IoT データ可視化サービス「Machinist (マシニスト)」および IoT 向け通信サービス「IIJmio IoT サービス」を活用し、以下の通りプログラムを実施いたします。
開発・実証期間 令和元年 9 月 ~ 令和 2 年 3 月末 (予定) ※ 3 月に実証結果を公表予定です。
実証フィールド 鳥取城北高等学校、青翔開智高等学校
プログラム内容
直近のスケジュール
その他 (各組織情報)
※ 本プレスリリースは 鳥取県と WebDINO Japan との共同リリース になります。
一般社団法人 WebDINO Japan は、オープンウェブプラットフォームの領域拡大とウェブ技術による相互接続環境の社会実装を通じて、インターネットの環境基盤に貢献することを目的とした非営利法人です。
2004 年の設立以来、10 年以上にわたりコミュニティと共にオープンソースのウェブブラウザー製品の普及活動やウェブ標準技術の推進などを行ってきた経験から、現在は、産学官、そしてコミュニティの人々をつなぎ、ウェブを介したコラボレーションやイノベーションを促進する活動を行っています。
2017 年 7 月からは組織名を旧社名から一般社団法人 WebDINO Japan へと改め、ブラウザーやウェブ技術の導入支援や実装、コンサルティングを中心に、ウェブやオープンソースに関する普及活動、研究・教育活動にも取り組んでいます。
]]>WebDINO Japan は、総務省の委託を受け、学生や若手エンジニアを対象とした IoT システム開発のスキルアップイベント「Web×IoT メイカーズチャレンジ 2019-20」の実行委員会事務局を担当しています。
今年度は、全国 11 の地域 (札幌、仙台、茨城、群馬、横須賀、信州、石川、鳥取、徳島、香川、沖縄) でのイベント開催が決定いたしました。
以下プレスリリースを配信いたしましたので、詳しくはリンク先をご覧ください。
]]>WebRTC に関してエンジニアが集まり情報共有をするイベントとして 2014 年から続く「WebRTC Meetup Tokyo」の第 21 回が 5 月 29 日 (水) に五反田で開催され、弊社 CTO の浅井智也が登壇します。
イベント詳細ページ: WebRTC Meetup Tokyo #21
WebRTC を含め、これからのウェブにおけるロイヤリティーフリーで高品質な次世代動画コーデックとして期待されている AV1 の特許論争に関して、過去の経緯から最新の状況まで簡単にまとめてご紹介する予定です。
]]>Firefox のブラウザーエンジン Gecko を組み込みプラットフォームとして利用できるよう、弊社では 2016 年より、Gecko Embedded プロジェクト にて Gecko の移植などに取り組んでいます。
その成果として、昨年、当プロジェクトで移植を行った Gecko エンジンが、ルネサスエレクトロニクスの産業用プロセッサ「RZ/G1」の超長期サポート Linux プラットフォーム Verified Linux Package 2.1.0 以降に採用されました。
また、今月 2 月 21 日には、産業用 RZ/G Linux プラットフォームの第 2 世代となる「RZ/G2」が 発売されました。
産業機器の分野で、HTML5 を GUI フレームワークとして広くご活用いただけるよう、弊社では、引き続き移植やブラウザーエンジンと HTML5 利用時の開発支援・コンサルティングを行っていきます。
]]>一般社団法人 WebDINO Japan (代表理事: 瀧田 佐登子/所在地:東京都中央区) は、インターネット通信の 6 割を占める動画配信の実利用時の品質データを分析・公開し、ネットワーク資源の有効活用と品質向上に役立てる調査研究プロジェクト「Web VideoMark (ウェブ・ビデオマーク)」を 2 月 5 日より開始します。
また、本プロジェクトに協力いただける動画視聴ユーザー向けのツールとして、デスクトップブラウザー用拡張機能と Android 端末向けブラウザーアプリをそれぞれ配布します。
インターネットの通信量は拡大の一途を辿っていますが、現在、その 58% が動画配信に利用されており 1、今後もその割合は拡大すると予測されています。一方、インターネット通信へのニーズも大容量を求めるものだけでなく、自動運転車の遠隔運転のように低遅延を求めるもの、災害時通信など高信頼性を求めるものなど、用途に応じた制御が必要となります。
特に、第 5 世代モバイルシステム (5G) 環境下では、通信用途毎に独立な資源を割り当て制御するネットワークスライシングが標準仕様にも含まれ、プロバイダーやキャリアによるネットワークの動的制御の重要性が高まっています 2。
本プロジェクトでは、ネットワーク帯域の有効利用やサービス品質改善に役立つ基礎調査データとして、動画の視聴体感に影響する「品質パラメーター」を取得し、ユーザー体感品質を測定します。この測定結果の活用により、プロバイダーやキャリアは実サービスでの体感品質に基づいたネットワーク設備の増強や制御が可能となり、動画配信事業社はユーザーの体感品質を的確に把握して動画配信ネットワークと制御を改善可能となります。結果として、通信品質が安定しないネットワークでもユーザー満足度が下がらない、また、バッテリー消費や通信料の削減に繋がるなどユーザーメリット向上に貢献することを目指します。
本プロジェクトでは、実際の動画配信サービス利用時の体感品質値を客観的に推定し、共有・比較できるツール (PC 用ブラウザー拡張機能「Web VideoMark」、Android 向けブラウザーアプリ「VideoMark Browser」) を配布し、一般ユーザーから調査の協力者を募ります。
これまで、利用者自身によるネットワーク品質の確認・比較には、単純な転送速度計測 (スピードテスト) が一般的でしたが、実際のインターネットではサービス毎に端末やアプリケーションなどに応じた通信最適化や帯域制限が行われており、スピードテストのような単純なベンチマークでは、実際のサービス利用時の品質が評価できませんでした。Web VideoMark 利用下では、映像のビットレート・解像度・フレームレートなどの品質パラメーターを取得し、動画再生の体感品質を客観的な推定により計算した結果を数値として表示します。測定した動画視聴時の品質パラメーターは、匿名の基礎調査データとして弊社サーバーに送信され、都道府県、曜日や時間帯毎に集計し公開されます。測定に協力する利用者は、自身の環境での測定結果と集計された公開データとの比較も可能となります。
Web VideoMark の実装には、NTT コミュニケーションズ株式会社がオープンソースとして公開するソフトウェア 3 を基に、WebDINO Japan が機能の追加や改良を加えています。また、動画サービス利用時の品質推定ロジックも同じく NTT コミュニケーションズ株式会社により提供されており、日本電信電話株式会社ネットワーク基盤技術研究所が開発した視聴状況可視化技術とサービス品質評価技術を用いて、効率的にデータを収集・処理して客観的動画再生の体感推定品質値の計算を実現しています。
Web VideoMark を通じ、2019 年 3 月末までに収集された動画サービス視聴時のデータは、日本電信電話株式会社および NTTコミュニケーションズ株式会社と共に調査分析され、その結果は匿名ログデータと共に公開します。
なお、現時点で品質の評価・比較が可能な動画サービスは、YouTube、Paravi、TVer の 3 サービスですが、今後、対象とするサービスの拡大を目指します。
同社 技術開発部 担当部長 亀井聡 氏
NTT コミュニケーションズではインターネットへの各種接続サービスを提供しています。今回、オープンなウェブの発展に貢献してきた WebDINO Japan との協力により、さらなるインターネットの発展に向けた基礎データを取得し、高品質なサービスの提供に活かしていきます。
同研究会 主査 宮下健輔 氏 (京都女子大学)
IOT 研究会では、大学やサービスプロバイダー、機器ベンダなどの研究者がインターネットに関する研究成果を発表し情報交換する研究会を定期的に開催しています。今回の WebDINO Japan の取り組みによって得られたデータを活用することで、サービス提供に関わる各分野の研究が一層深化し、より快適なインターネット環境の構築・運用やそれに向けた提言に結びつくと期待しています。
同研究会 委員長 林 孝典 氏 (広島工業大学)
CQ 研究会では、ネットワーク/アプリケーション品質 (QoS) に加え、それを利用するユーザーが体感する品質 (QoE) までを対象とした品質評価・計測技術を主要研究分野の1つとして、多くの研究者が定期的に議論しています。
これまでのインターネットの品質測定は、速度測定のようにネットワークの話が中心でしたが、今回の取り組みはユーザーの協力のもと、アプリケーションレベルの品質を測定対象としている点で有益です。取得されるデータにより、ユーザー視点からあるべきネットワークの設計・管理・制御論について当学会で議論できることを期待しています。
また、協力ユーザーが本取り組みに一方的に協力するだけではなく、協力ユーザー自身が得られるメリットについて明確にしていくことで、ネットワーク事業者・サービス事業者・ユーザーが連携し、共に快適な品質の通信環境を創造していく世界 (当研究会ではこれを “共創品質” と呼んでいます) が描けるのではないかと、大いに注目しています。
Web VideoMark プロジェクトサイト
PC 用ブラウザー拡張機能「Web VideoMark」
Android 向けブラウザー「VideoMark Browser」
一般社団法人 WebDINO Japan は、オープンウェブプラットフォームの領域拡大とウェブ技術による相互接続環境の社会実装を通じて、インターネットの環境基盤に貢献することを目的とした非営利法人です。
2004 年の設立以来、10 年以上にわたりコミュニティと共にオープンソースのウェブブラウザー製品の普及活動やウェブ標準技術の推進などを行ってきた経験から、現在は、産学官、そしてコミュニティの人々をつなぎ、ウェブを介したコラボレーションやイノベーションを促進する活動を行っています。
2017 年 7 月からは組織名を旧社名から一般社団法人 WebDINO Japan へと改め、ブラウザーやウェブ技術の導入支援や実装、コンサルティングを中心に、ウェブやオープンソースに関する普及活動、研究・教育活動にも取り組んでいます。
組織の沿革:https://www.webdino.org/about/history/
Sandvine 社による調査「2018 Global Internet Phenomena」によると世界のインターネット通信量の 57.69% が動画サービスによるものです ↩︎
ネットワークスライシングを含む、ネットワーク通信技術の動向については総務省特別委員会資料資料「2030年の情報通信基盤に向けて」(PDF) などをご覧ください ↩︎
動画視聴の際のネットワーク通信品質や動画の品質パラメーターを取得し、動画再生の体感品質値を客観的な推定値として計算した結果を数値として表示するソフトウェアです。詳しくは GitHub のプロジェクトページ をご覧ください ↩︎
学生や若手エンジニア向けに、Raspberry Pi などの小型ボードコンピュータを使って JavaScript によるハードウェア制御を実践的に学べるイベント「Web×IoT メイカーズチャレンジ」が全国で開催されているのをご存じでしょうか。
今回は、WebDINO Japan も運営や企画などに協力させていただいているこのイベントについてご紹介したいと思います。
この取り組みは、総務省の事業 (IoT 機器等の電波システムの適正利用のための ICT 人材育成事業) の一貫として 2017 年からスタートしたもので、初年度は、仙台・前橋・横須賀・鳥取・沖縄の 5 地域で開催し、2018 年 10 月から 2019 年 3 月までの今年度は、開催地域を 9 地域 (札幌・仙台・茨城・前橋・東京・横須賀・鳥取・香川・沖縄)に増やし、各地でハンズオン形式の講習会やハッカソンが行われています。
WebDINO Japan では、イベントの基本方針を検討する実行委員会に参画させていただいているほか、鳥取と前橋、東京会場の運営などを担当しています。
各地のイベントは、「ハンズオン講習会」とその数週間後に講習の成果発表の場として行われる「ハッカソン」の 2 部構成で実施されます。
イベント名の「Web×IoT メイカーズチャレンジ」からもわかるように、この取り組みでは、ウェブ技術を中心に据えた IoT システム開発や、ここ数年、世界でも注目を集めているデジタルを駆使したパーソナルなものづくりの潮流「メイカームーブメント」の要素を取り入れたIoT 開発のスキルアップを目的としています。
JavaScript や HTML といったウェブブラウザ技術で IoT システム開発を学ぶ理由としては、標準で中立的な ICT 技術であること、ソフトウェア技術者の基本知識として広く知られている技術であること、そして特定のベンダー、OS、デバイスに依存せず広く使われるマルチプラットフォーム対応技術であることが挙げられます。
また、ウェブ制作やアプリ開発の経験を持つ皆さんにも電子部品やハードウェアを扱う IoT 開発に挑戦してみていただきたいという想いもあります。
私たち WebDINO Japan が担当する地域では、ハンズオン講習会の教材・ハッカソでの開発環境として、CHIRIMEN Open Hardware コミュニティがオープンソースプロジェクトとして提供する「CHIRIMEN for Raspberry 3」を使っています。
CHIRIMEN for Raspberry Pi 3 は、名刺サイズの小型コンピュータ “Raspberry Pi"上に構築された IoT プログラミング環境で、Web GPIO API や Web I2C API といった JavaScript でハードを制御する API を活用したプログラミングにより、ウェブアプリ上で Raspi に接続した電子パーツを直接制御できます。
Raspberry Pi 3 のブラウザを使うので、PC 不要で実習を行うことができ、チュートリアルドキュメント やサンプルコードも充実しているため、初学者でも気軽に IoT 開発にチャレンジできます。また、講師用のドキュメントやよくある質問や Tips、トラブルシューティング集 なども用意されています。
ハンズオン講習会では、IoT の基礎知識に加えて、WiFi や LTE 等、IoT には欠かせない通信技術やその根源となる電波の特性についての講義を行った後、各参加者に CHIRIMEN for Raspberry Pi 3 の環境が貸し出され、実習を行います。
鳥取や前橋の会場では、プログラミング初学者の方も多くいましたが、皆さん電子工作の Hello World とも言われる LED を点滅させるプログラム (通称「L チカ」) を早速成功させた後、自分のペースでチュートリアルに沿って様々なセンサー制御を楽しんでいました。
講習会が終わると、いよいよハッカソンに向けての準備がスタートします。Web×IoT メイカーズチャレンジのハッカソンは、アプリやソフトウェア開発のハッカソンとは異なり、モノづくりを伴うため、作品制作には材料費が発生します。
ハンズオン講習会で学んだ技術を使って自分たちのアイデアをカタチにするプロトタイピングを実践する機会でもあるため、学生や若手エンジニアの皆さんでも心おきなく作品制作に取り組めるよう、このハッカソンでは、チームの作品制作にかかる材料費を一定の上限額の範囲内で主催者が負担します。
ハンズオン講習会からハッカソンまでは通常、数週間の準備期間が設けられますが、その間、ハッカソン参加の各チームは、ハードウェアの制作を始めたり、部材やセンサー、モーターなどの材料調達を行ったりと、ハッカソンに向けての準備を行います。(事前にコードを書き始めたり、ハード制作の準備も OK なのが普通のハッカソンとは少し違うところです)。
講習会付きのハッカソンは数多く開催されていますが、ここでは、賞金や賞品目的で腕自慢が多く集まる一般的なハッカソンとは違って、「学びの機会」としての意味合いが強いのも特徴です。結果よりもプロセスを重視し、ハッカソンで実際に作品を作ってみることで、うまく行かないことや、失敗したこと、わからないことを講師やチューターに相談しながら一緒に乗り越え、作品を完成させることで、エンジニアとしての自信や仲間との共創など多くの学びが得られることを目指しています。そのため、ハッカソンでは講師やチューターが、ソフトウェア開発のサポートのみならずハードウェアの工作まで、全力で参加者をサポートし、作品制作を一緒になって行っている姿が多く見られます。
このイベントは参加者の皆さんの学びの場ではありますが、講師やスタッフをはじめとした運営メンバーもフラットな立場で参加者と一緒にイベントを楽しむ!というオープンソースコミュニティのイベントのような雰囲気づくりを心がけています。
参加した各地の皆さんからは雰囲気が良く質問しやすかった!楽しかった!これから自分でも勉強したい!という嬉しい声も多くいただいています。ぜひ IoT の世界に一歩踏み出すきっかけにしていただきたいイベントです。
1 月末で申し込み締切ですが、今年度は 2 月 9 日 〜 10 日 (ハンズオン講習会) ・ 3 月 2 日 〜 3 日 (ハッカソン) の日程で 東京でも開催を予定しています。興味のある方はぜひご参加ください!
実は、WebDINO Japan のコミュニティ・スペースでは毎月、MDN 翻訳コミュニティ のオフラインミートアップが開催されています。今年の 2 月に始まったこの活動は、11 月の開催で 10 回目を迎えました。
今日は「そもそも MDN って何?」という状態の方も多いかと思いますので、これを機に、改めて活動の紹介をしたいと思います!
MDN Web Docs とは、世界中のコミュニティの貢献によって運営されるウェブ開発者向けのオープンソースドキュメントが集まるサイトです。2005 年に Mozilla Developer Center という名前で Mozilla 製品に関するニュースを扱うサイトとして誕生し、その後、ウェブ開発者向け技術ドキュメントサイトとして「Mozilla Developer Network (MDN)」の名で知られるようになりました。
現在では「MDN Web Docs」を正式名称とし、Mozilla の製品や技術に限らず、ウェブ技術全般に関する数多くのリファレンスやチュートリアルが集積する世界最大のプラットフォームとなっています。
さらに、2017 年 10 月には、Microsoft、Google、Samsung、W3C など各社が協力して MDN Web Docs を盛り上げていくことをそれぞれ 発表しました。これにより、リファレンスを探す際に複数のサイトを行き来する必要がなくなり、クロスブラウザ開発をする際の煩雑さも大きく解消されました。
こうしてベンダー横断のドキュメントサイトになった MDN 。これを機に、2018 年にはドキュメントに関するオープンソースコミュニティの活動が多く見られました。その一端を担っていたのが、MDN 翻訳コミュニティです。MDN 上のドキュメントの多くは始め英語で書かれるものが多く、そこから多国語に翻訳されていきます。MDN にある役立つ情報を、言語の壁を超えて多くの人に使ってもらいたいという想いから、ボランティアベースでの翻訳活動が全世界的に行われています。
想いを持った個人は日本にもいます。今年の 2 月からはこうした活動をより活性化するため、定期的なオフラインミーティングを開催することになりました。WebDINO Japan スタッフが音頭を取り、昔から活発に翻訳をしていたメンバーはもちろん、初めてドキュメントの翻訳をする参加者まで、幅広い参加者がコミュニティ・スペースに集まりました。
以来、月に一度のペースで MDN 翻訳コミュニティのオフラインミートアップが開催されています。毎回 10 人前後の参加者が集まり、空間を共有し、お菓子を食べながら翻訳作業に没頭しています。欠かさず参加するコミュニティメンバー、数回に一度現れるメンバー、お試しで初参加するメンバーなど、毎回多様性に富んだグループで翻訳しています。また東京の会場に直接登場するのが難しいメンバーが、地方からビデオ通話を介して参加することも少なくありません。
ミートアップでは議論やミーティングなどはなるべくせず、集まっている時間の大半を実際の翻訳作業に使っています。また翻訳の時間をたっぷりと取れるよう、土曜日の午後をまるごと使うスケジュールで開催しています。ボランティアベースのオープンソース活動は、どうしても普段は片手間になってしまいがちです。そのため、せめてこうしてコミュニティで集まっている時だけは作業に集中できるようにという想いから、こうした設計にしています。余白のあるスケジュールによって、記事を最後まで丁寧に翻訳したり、慣れている人は複数の記事を翻訳完了したりすることが可能になります。
またミートアップでは、初心者の方も歓迎しています。「チューター」という役割を持った経験多い参加者が、ウェブドキュメント翻訳の基礎や MDN 翻訳ツールの使いかたなどの導入を手伝ってくれます。 また MDN への貢献の仕方は英語力が必要な翻訳作業ばかりではありません。翻訳が完了したドキュメントの日本語校正や、技術的に間違っていないかのレビューなど、各自の得意に合わせた参加の仕方が可能です。翻訳のスキルに磨きをかけたい人、翻訳に関するコミュニティを探している人、Mozilla や OSS のコミュニティ活動によりアクティブに参加してみたい人、新しいウェブ技術やウェブ標準に興味がある人等、多くの方におすすめのコミュニティです。
静かでゆったりと作業できる空間に、同じ目的を持ったメンバーが集まることで、そこには安心感のある安全な場が出現します。人見知りの参加者が多いこともあり、メンバー間の直接的なコミュニケーションは休憩中や解散間際の僅かな時間にしか発生しません。(翻訳に関する質問や相談、事務連絡のほとんどはコミュニティの Slack 上で活発に行われています。) それでも、不思議とメンバーの間にぎこちなさが生じることはありません。直接言葉を交わさずとも、GitHub 上で翻訳した記事を誰かにレビューしてもらったり、お互いの貢献を緩やかに把握たりと、「Give」の精神に基づいた様々なコミュニケーションが交わされています。こうして多くの時間を一緒に過ごす中で、一種の信頼関係が醸成されていきます。
MDN のユーザー数は 2017 年 10 月時点で、月間 600 万人とのこと。その数は年々凄まじい勢いで成長しています。この勢いにブレーキをかけることなく、今後もますますドキュメントを充実させ、コミュニティをさらに盛り上げていきたいと思います。また翻訳だけでなく、他のコミュニティとのコラボレーションも視野に入れて、オープンソース界全体を盛り上げてけたらなと思っています。
「週刊 BCN」主幹の奥田喜久男氏が千人のゲストと会って、その哲学・行動の深淵に触れるインタビューを行うシリーズ「千人回峰」に WebDINO Japan 代表理事・瀧田が登場!これまでの歩みや信条などについてお話をしています。
]]>10 月 26 〜 28 日にロンドンで開催された Mozilla Festival 2018 に WebDINO Japan が参加し、 CHIRIMEN for Raspberry Pi 3 を使用した IoT 人材育成ワークショップを開催しました。
Mozilla Festival とは Mozilla Foundation が毎年開催している、インターネットに関する最新のテーマを扱った大規模なカンファレンスです。世界中からエンジニア、アーティスト、社会活動家、教育者、学生などが集い、インターネットの現在と未来に関して理解と議論を深める場です。「Decentralisation」「Digital Inclusion」といった、2018 年現在のインターネットにとって重要なテーマが 9 つ設定され、それぞれのテーマに合わせた展示やトークセッション、ワークショップなどが繰り広げられます。WebDINO Japan はその中でも「Youth Zone」と呼ばれる、学生や若手の参加者、またその若者を教育する立場にいる人を対象としたゾーンでワークショップを開催しました。今回の企画は約 300 ものプロポーザルの中から採択された企画でした。
今回実施したのは、CHIRIMEN Open Hardware コミュニティによって開発されたIoT プログラミング環境 CHIRIMEN for Raspberry Pi 3 を用いた初学者向けのワークショップです。
CHIRIMEN for Raspberry Pi 3 を用いたこのツール・手法は、既存のツールに比べて、オープンソースでアクセスしやすいこと、比較的手に入りやすい部材を使用するため経済的であること、シンプルながら本質的にウェブ技術を使ったハードウェア制御について学べることなどがアピールポイントです。今回は、この手法やツールを紹介すると同時に、日本で活動しているオープンソースコミュニティや、その取組事例を紹介することも目的の一つでした。
ワークショップは事前申し込み無しで誰でも参加できる 1 時間枠のもので、初学者でも理解しやすく、なおかつ IoT プログラミングのエッセンスを体験できる内容でした。教材は CHIRIMEN Open Hardware コミュニティの宮崎典行さんが日本国内で同対象向けに行っているワークショップの スライド (PDF: 3 MB) を英訳・一部英語話者向けに改変して使用しました。内容としては、CHIRIMEN for Raspberry Pi 3 の入門編に当たる、LED ランプを Raspberry Pi 3 と配線し、ウェブ経由で制御する「L チカ」を参加者に体験してもらいました。
数多くのセッションが同時並行で開催されていたにもかかわらず、学生、先生、小学生を連れた親子など、幅広い層に渡る多くの方に参加していただけました。子供や学生などのユース層のみなさんはもちろん楽しんでいましたが、「学校でプログラミングを教えている」という先生の参加も目立ちました。ワークショップ終了後に詳細を聞きに来るなど、熱心な教育者の皆さんに集まっていただきました。
今回、CHIRIMEN for Raspberry Pi 3 を使用したワークショップを海外で開催するのは初の試みでした。教材の一部は英語へのローカライズが未完の箇所もありましたが、それでも参加者の皆さんに教材の魅力を充分に感じ取ってもらうことができました。
例えば参加した小学生の子供の一人は、残った時間で「L チカ」を改造し、ウェブからモールス信号を送信できるように改造を試みるなど、独自の進展も見せていました。シンプルで伝わりやすい教材であるにもかかわらず、このように自然とアイデアを誘発し、その場でコードや配線を編集することで発想をかたちにできるこのワークショップ手法の強みをあらためて垣間見ることができました。
また参加した先生の一人からは、「ブロックをつなげて論理思考を学べるものなど、多くのプログラミング教材を試してきたが、そうした教材からいざ実際のコードを触るところとのギャップが大きく生徒が戸惑うことが多い。この教材はわかりやすいながらもはじめから本物のコードを触れるから良かった。」といったご意見もいただきました。
今後も CHIRIMEN コミュニティの皆さんとともに、この教材や手法をアップデートしていき、より多くの方に経済的で準備しやすい IoT プログラミング教育のツールとして届けられるよう活動を続けていきます。
]]>今週末開催の HTML5 Conference 2018 にて「HTTP の今と未来 ー BBR, HTTP/2, QUIC の基礎から 5G 試験ネットワークでのブラウザベース評価試験まで」と題した講演をさせていただきます。
先週開催された IETF では Mark Nottingham からの提案 が受け入れられ、HTTP over QUIC の名称を HTTP/3 とすると合意されたことは広く技術者の間で話題になりました。ウェブ業界では、HTML5、ECMASCript 2015 をひとつの区切りとして大きな技術的な進化を遂げてきましたが、ウェブを支えるネットワーク技術も次への大きなステップへと進もうとしています。
ネットワーク環境のクライアントがモバイル中心に移り変わっているだけでなく、皆さんご存じのように、来年以降は LTE から次世代の 5G への切り替わりを迎え、大容量・低遅延・多数接続が可能なネットワークが普及していきます。こうしたネットワーク環境の進化は、今やウェブ業界にとっても他人事ではありません。ウェブサイトやアプリケーションのパフォーマンス向上はもちろん、セキュリティやプラバシーにも関わる大きな改善が含まれているため、ウェブ開発者にとっても最新のネットワーク環境を無視できない時代を迎えています。
そうした中、「通信事業者だけでなくウェブ開発者と共により良いインターネット環境を実現していくため、実際の 5G 環境でのブラウザ利用の先行調査を行い、結果をオープンにする取り組みを一緒にすすめよう」というお声がけをソフトバンク様からいただき、WebDINO Japan で調査を実施しました。
調査内容は、最新の通信プロトコルと輻輳制御を 5G 環境と組み合わせた場合にどうなるか検証するブラウザベースでの基礎調査ですが、計測には、5G や IoT を活用する企業向けに 5G 実験機器での技術検証が可能なソフトバンクのトライアル環境「5G×IoT Studio」をお借りして行いました。
5G が実現する新しい可能性を活かす上で、最新の通信プロトコルや輻輳制御との組み合わせが有効であるか、また、実際に利用していく上で注意すべき点はどこかなど 5G 時代のネットワークとサービスを作る上で参考にしていただくための基礎的な計測になります。
今回の調査データをソフトバンク社の自社内に留めるのではなく、ネットワークを構築する他の通信事業者や ISP、ウェブ開発者やサービス運営者の皆様に広く知って頂くことで、ウェブを支えるネットワーク技術の変化を知り、標準化や実装にフィードバックしたり、実際のサービスで 5G の能力を活かしていって頂くためのヒントや切っ掛けとなることを目指しています。
調査結果の概要を今週末の HTML5 Conference 2018 でご紹介いたします。当日は、ソフトバンク 永井様からも 5G の世界についてもお話いただく予定ですので、HTTP と 5G ネットワークの未来に関心がある方はぜひ当日お越し頂ければと思います。
なお、講演で使用するスライドのうち、今回の基礎調査の内容を理解する上でも、ウェブサービスを運営する上でも、皆さんに知って頂きたい HTTP の基礎知識についてまとめた部分を抜粋し、事前公開資料として以下にアップロードいたしました。
]]>2019 年度開講予定の放送大学 TV 授業「Web のしくみと応用」の撮影が WebDINO Japan オフィスで行われました。
今回は、「WoT 時代の Web」というテーマの回の撮影ということで、授業を担当されている青山学院大学社会情報学部 准教授の伊藤一成先生の進行のもと、KDDI 株式会社の高木悟さん、弊社代表理事の瀧田、そして 弊社 CTO の浅井を加えた 4 名でウェブ技術やその活用領域などについてのウェブ談義を行いました。
撮影の後半には、実際に JavaScript からセンサーやモーターの制御を行うデモをお見せしましょう!ということで、「CHIRIMEN for Raspberry Pi 3」 の実演もご紹介しました。
「CHIRIMEN for Raspberry Pi 3」は CHIRIMEN Open Hardware コミュニティ のもと開発されたRaspberry Pi 3 上に構築された IoT プログラミング環境で、チュートリアルドキュメント などが充実していることもあり、慶應大学や中央大学の授業、そして、全国各地で開催されている学生や若手エンジニアを対象とした IoT システム開発のスキルアップイベント「Web×IoT メイカーズチャレンジ」でも多くの地域で使われている教材でもあります。
放送大学 TV 授業でウェブ技術を学ばれた方が、ウェブページ制作やアプリ開発に留まらず、こうしたウェブ技術を活用した IoT/WoT 開発にも関心を寄せていただけるきっかけになればと思います。
放映やウェブでの公開はまだ先なので、未定ではありますが、公開が決まりましたらまたあらためてご案内させていただきます!
]]>WebDINO Japan のコミュニティ・スペースで毎月開催されている、MDN 上のオープンソースドキュメントを日本語に翻訳するコミュニティのオフラインイベント。その第 9 回が 10 月 31 日、ハロウィンの夜に開催されました。
久しぶりの平日夜開催となったイベントでしたが、お菓子を食べながら翻訳を楽しむことができました。
次回は 11 月 17 日土曜日に開催いたします!
]]>WebDINO Japan のコミュニティ・スペースで毎月開催されている、MDN 上のオープンソースドキュメントを日本語に翻訳するコミュニティイベント。その第 8 回が 9 月 29 日に開催されました。
今回も、リモートでの参加も含め新旧多様なメンバーが参加しました。
]]>少し前になりますが、6 月 26 日に弊社創立 15 年を記念したパーティーを都内で開催しました。
昨年 7 月に社名変更を行った際に、直接ご挨拶ができなかった方が多かったこともあり、創立 15 年を迎えるこのタイミングに合わせ、皆さんにお集まりいただく機会を設けることになりました。
ご存じない方もいらっしゃるとは思いますが、弊社は非営利の企業体であると同時に、オープンソースやオープンウェブのコミュニティの一員というマインドで日々活動を行っている組織です。
私たち組織のこれまでのあゆみは、Mozilla をはじめとるするウェブやオープンソースのコミュニティ、そしてビジョンを共にし、様々なプロジェクトでご一緒してきた企業や学術系の皆さんとのコラボレーションの軌跡でもあります。
そうした “WebDINO らしさ” を今回のパーティーで何か表現できないかな?ということで、今回のパーティーでは 360° の円形スクリーンのある会場を選び、これまでの活動や皆さんとの想い出写真をたくさん表示する演出を行いました。
弊社で撮り溜めた想い出写真だけでなく、弊社主催のイベントなどの写真をお持ちの方もたくさんいらっしゃるはずなので、そうした写真を皆さんから集めて、それを一緒に会場の大きいスクリーンで見れたらいいな、と。
演出にあたっては、「WebDINO Japan のパーティーなら、やはり “ウェブ” でしょう!」ということで、株式会社ツクロアの秋葉秀樹さん、アベヒロキさんにもプロジェクトに参加いただき、写真投稿・表示を ウェブベースで行うシステム (仮称:想い出写真ビューアー) を用意することになりました。
-- 想い出写真をお寄せいただいた皆さん、開発協力いただいた秋葉さん、アベさん、有難うございました! ちなみにこのシステムはオープンソース化の準備も進めています –
さて、パーティーの当日ですが、会の冒頭では、WebDINO Japan の理事会メンバー、今年から新たにアドバイザーに加わっていただいた慶応義塾大学の村井純先生のご紹介に加え、設立当初のエピソードなども紹介されました。
また、残念ながら当日の参加が叶わなかった理事の Joi Ito さん (MIT メディアラボ所長)からはビデオメッセージをいただきました。
メッセージにもあるように、ウェブやインターネットを取り巻く新たな課題に対しても、日本での議論や新たなムーブメントのきっかけになるよう、私たち WebDINO Japan ならではの貢献を行い、起爆剤的な役割も今後果たしていかなければとスタッフ一同考えています。
また、パーティー中、弊社代表理事の瀧田と CTO の浅井が会場にいらっしゃる皆様の中から、弊社と様々なプロジェクトをご一緒した 5 名のキーパーソンの方々をステージ上にお招きし様々なお話を伺いました。
短い時間ではありましたが、産官学・コミュニティはもとより、ネットワーク系・ウェブ系・デザイン系など、様々なバックグラウンドやレイヤーの 200 名以上の皆様とのネットワーキングの機会となりました。
]]>2017 年の 7 月より “WebDINO Japan (ウェブディノ・ジャパン)” という新しい社名を掲げた活動をスタートさせ、あっという間に 1 年を迎えました。
社名だけでなく組織としての立場も以前とは変わりましたが、Open Web の拡大という軸足は、設立以来ブレずに活動を続けて来ています。
昨年夏からは、より広い視野でウェブやインターネットを見つめ直すことができる機会と捉え、これまでは立場的に直接関わることができなかったブラウザーに関する知見を活かした調査・研究、ウェブベースでの様々な開発のコンサルティングや実装、ウェブ技術を活用した人材育成の取り組みなど、これまでの経験を活かした新たなミッションにチャレンジする機会をいただいています。
小さな組織ながら、こうした挑戦を続ける私たち WebDINO Japan ですが、あらためてより多くの皆様に知っていただくため、このたび、サイトのリニューアルを行いました。
弊社が得意とする「ウェブ」、「ブラウザー」、「オープン」といった 3 つの専門分野に関する技術開発やコンサルティング、そして人材育成やイベントのプロデュースといった活動を通して、オープン・ウェブ・プラットフォームの拡大やオープンソース理念の普及の一助になれるよう今後も邁進して参りたいと思います。弊社の活動にご関心をお寄せいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。新たな皆様との出会いを楽しみにしております!
]]>MDNに掲載されているウェブ技術関連ドキュメントをみんなで翻訳するコミュニティの月例ミートアップを 8 月 25 日に WebDINO コミュニティスペースで開催しました。
毎回参加される方、初めてされる方、古くからのコミュニティメンバーと、多様な参加者が集まったオフラインミーティングでした。
]]>ブラウザベンダー横断のウェブ技術関連ドキュメントが集まるサイト「MDN Web Docs」の英語ドキュメントを日本語化する作業イベントを弊社オフィスで開催しました。
]]>最新の HTML5 アプリ技術についてのカンファレンス「HTML5 APP CONFERENCE 2018」が 7 月 8 日 (日) に東京で開催され、弊社 CTO の浅井智也が基調講演を行いました。
イベント詳細ページ:HTML5 APP CONFERENCE 2018
講演タイトル:「Web App Platform Strategy (Web アプリ・プラットフォーム戦略)」
]]>6 月 26 日に開催した弊社主催の創立 15 周年記念パーティーの様子がマイナビニュースにレポートとして掲載されました。
]]>ブラウザベンダー横断のウェブ技術関連ドキュメントが集まるサイト「MDN Web Docs」の英語ドキュメントを日本語化する作業イベントを弊社オフィスで開催しました。
]]>月例で行っているブラウザベンダー横断のウェブ技術関連ドキュメントが集まるサイト「MDN Web Docs」の英語ドキュメントを日本語化する作業イベントの第 4 回は、同日開催されるオープンソースカンファレンス 2018 in 名古屋会場と東京の 2 会場で同日開催されました。東京でのイベントは、弊社オフィスで開催しました。
]]>ブラウザベンダー横断のウェブ技術関連ドキュメントが集まるサイト「MDN Web Docs」の英語ドキュメントを日本語化する作業イベントを弊社オフィスで開催しました。
]]>1998 年に Netscape が ソースコードを公開してちょうど 20 年。Mozilla.org にとっては 20 周年の記念日となる 3 月 31 日、弊社オフィスに有志の Mozilla コミュニティメンバーが集まり、お祝いの会を行いました。
]]>若手ウェブエンジニアのための情報メディア「エンジニア Hub」に代表理事 瀧田佐登子のインタビュー記事を掲載いただきました。インターネットが一まだ般的ではなかった時代のエンジニアの仕事風景や、Netscape のオープンソース化がもたらしたことなどについてお話をさせていただいています。
]]>ブラウザベンダー横断のウェブ技術関連ドキュメントが集まるサイト「MDN Web Docs」の英語ドキュメントを日本語化する作業イベントを弊社オフィスで開催しました。
]]>弊社が実行委員会に参画した「Web × IoT メイカーズチャレンジ 2017」の全開催地 5 地域の最優秀賞受賞作品が 2018 年 3 月 9 日開催の スマート IoT 推進フォーラム総会 の会場で展示されました。
]]>弊社が運営に携わった若手 IoT エンジニアのスキルアップを目的としたイベント「Web × IoT メイカーズチャレンジ 2017 in 前橋」のハッカソンの様子がマイナビニュースにレポートとして掲載されました。
]]>ブラウザベンダー横断のウェブ技術関連ドキュメントが集まるサイト「MDN Web Docs」の英語ドキュメントを日本語化する作業イベントを弊社オフィスで開催しました。
]]>群馬テレビのニュースでご紹介いただいた「Web × IoT メイカーズチャレンジ 2017 in 前橋」の動画が YouTube で公開されました。
]]>弊社が企画や運営のお手伝いをした前橋での「Web × IoT メイカーズチャレンジ 2017」の JavaScript の初心者向け講習会、ハンズオン講習会、ハッカソンのすべてのプログラムを無事終了しました。
前橋でのイベントの詳細や当日の様子は以下の公式サイトでご紹介しています。
]]>総務省沖縄総合通信事務所、沖縄情報通信懇談会主催で 2018 年 1 月 25 日に沖縄県那覇市で開催された「平成 29 年度地域 ICT/IoT 実装推進セミナー (~ 沖縄教育&人材育成 × IoT の展開と可能性 ~)」のパネルディスカッションに弊社代表理事の瀧田佐登子がパネリストとして登壇しました。
]]>2018 年 1 月より、弊社理事会 のアドバイザーとして、慶應義塾大学環境情報学部 教授の村井純氏がメンバーに加わりました。
]]>弊社が運営委員会事務局として企画や運営のお手伝いをした鳥取県鳥取市で開催した「Web × IoT メイカーズチャレンジ 2017 in 鳥取」のハンズオン講習会、ハッカソンを含む全プログラムが無事終了しました。
鳥取でのイベントの詳細や当日の様子は以下の公式サイトでご紹介しています。
]]>弊社代表理事の瀧田佐登子が座長を務めさせていただくことになりました「とっとり IoT 推進ラボ」の設立総会が 2017 年 11 月 9 日に開催され、コアミーティング (専門家会議) のメンバーの皆様と共にパネルディスカッションに登壇しました。
]]>弊社もコミュニティの一員として協力させていただいている CHIRIMEN Open Hardware コミュニティから「CHIRIMEN for Raspberry Pi 3」がリリースされました。
「CHIRIMEN for Raspberry Pi 3」は、Web GPIO や Web I2C といった低レベル API を活用し、ウェブアプリから Raspberry Pi 3 に接続した電子パーツを直接制御することができるプログラミング環境です。
Raspberry Pi 3 のウェブブラウザー上で、JavaScript で書いた単一プログラムからハードウェアと画面 UI の両方の制御が扱えるため、初学者の方が IoT を学ぶのにも最適です。
]]>HTML5 プロフェッショナル認定試験をはじめとしたオープンテクノロジー技術者認定試験を実施している LPI-Japan 様が主催するイベント「HTML5感。」が 10 月 29 日に大阪で開催され、弊社 CTO の浅井智也が講演を行いました。
イベント公式サイト:HTML5 感。 〜 HTML5 で広がる未来とこれから使いたい HTML5 のテクニック〜
講演タイトル:これまでの HTML5、これからの HTML5 −ウェブ技術とブラウザが歩む道−
]]>9 月 24 日開催の国内ウェブ開発者コミュニティ最大のイベント「HTML5 Conference 2017」で弊社 CTO の浅井智也が講演を行いました。
]]>コニカミノルタ様主催で、2019 年卒業予定のエンジニア学生を対象としたハッカソン「KONICA MINOLTA Hackathon 2017」が 9 月 16 日 〜 17 日の 2 日間の日程で開催され、このイベントの最終日に行われた成果発表会に弊社代表理事の瀧田佐登子が審査員として参加しました。
]]>9 月 3 日に調布市の多摩川河川敷で開催された 東京都・調布市合同総合防災訓練 に WEB SHIP が参加しました。災害時にドローンでの空撮画像を使って地図や自治体を支援する活動を行う NPO 法人クライシスマッパーズ・ジャパンさんの活動に WEB SHIP が電力と衛星インターネット接続の協力を行いました。
]]>ウェブ標準技術として利用が広がる HTML5 を中心に、HTML や CSS を書くテクニックやツールから、WebVR や WebRTC のようなマルチメディアウェブ技術の最新情報などの講演が行われる LPI-Japan 主催のイベント「HTML5 感。」で弊社 CTO の浅井智也が講演を行いました。
イベント公式サイト:HTML5 感。 〜HTML5 で広がる未来とこれから使いたい HTML5 のテクニック〜
講演タイトル:これまでの HTML5、これからの HTML5 −ウェブ技術とブラウザが歩む道−
]]>弊社 WebDINO Japan が社名変更して新しいスタートを切ることとなった背景やこれからのウェブに寄せる想い、などについて HTML5Experts.jp 編集長の白石俊平さんと対談を行い、記事として公開いただきました。
]]>8 月 5 日、6 日に開催された Maker Faire Tokyo 2017 で、KDDI 様とオライリー様のご協力のもと、衛星ブロードバンドアンテナ搭載のワークショップバス「WEB SHIP」を活用した IoT のコンセプトデモ展示を行いました。
展示名:WEB SHIP: A Web-based Adventure Life
オープンなウェブテクノロジーやデータを活用して、個人レベルでも自分の趣味やライフスタイルにマッチした「自作 IoT」が可能になってきた昨今、こうした「個人レベルの IoT」が日常に浸透したとき、どんな生活が可能になるのかを思い描くコンセプトデモ。DIY と旅を楽しむノマドなハッカー、ジェームズという架空の人物の日常を想定し、旅先で出会う人々の困り事を IoT で解決する彼の日常を垣間見ることができる展示です。
]]>7 月 15 日に行った組織名変更後初となるコミュニティミーティングの様子がレポートとしてマイナビニュースに掲載されました。
]]>2017 年 7 月より社名および組織としてのミッションを改め、一般社団法人 WebDINO Japan としての活動を開始しました。
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